噂されてた Apple 社の新製品、 その名も iPad がとうとう発表されました。
9.7 型の IPS 液晶ディスプレイを搭載して 750g ~という重さ、 記憶領域は 16GB 以上のフラッシュメモリを搭載と、 見栄えだけでなく iPod touch を そのまんま大きくしたような製品です。
米国で電子書籍市場が急速に拡大していて、 世界最大のデジタルコンテンツ販売事業者である Apple 社でも 無視できない市場になったことで、 iPad は電子ブックリーダーとしても使えるように…という意図はあるでしょう。
しかし、この iPad は個人的には一昨年より急速に広まったネットブック市場への Apple 社からのアンチテーゼだと感じます。
ネットブックブームが吹き荒れる中、 これまで Apple は何度も噂されながら、 MacOS X が動作する安価なノート PC は提供してきませんでした。
そして、今回発表された iPad は iPhone/iPod touch 以上に リッチなインターフェイスとリソースを持ちながら、 MacBook とは一線を画した 明らかに(気軽な)持ち歩きを意識したフォームファクターとなっています。
一般 PC 市場でフルスペックのノート PC とスマートフォンの間を埋めた製品がネットブックとするならば、 Apple は MacBook とiPhone の間に iPad を用意したということなのでしょう。
こう考えると個人的には iPad の製品コンセプトが理解できます。
最近、個人的な携帯環境は、データ通信専用に Pocket WiFi 、 その他は携帯電話と、ネットワーク端末として iPod touch 、 そして ポメラ と、 ちょっと重装備にしたいときはその ポメラ の代わりに ノート PC(VAIO type T) と いうのが、現時点でベストソリューションと感じているからです。
iPad ではまず全力で文字入力ができそうにないこと。 ポメラ or ノート PC の組み合わせと比較すると、 まさに帯に短し襷に長しです。
では電子ブックリーダーとしての側面はと聞かれると、 「 iPad みたら Kindle 買えないよねぇ」という人もいるでしょうが、むしろ逆です。
ポメラ を使っていて思うのですが、 長時間みていて疲れないのはやはり反射型のディスプレイです。 IPS 液晶とはいえ、照射型ディスプレイで何時間も継続して文字を追うことは ちょっと勘弁願いたいです。
iPad は正直に MacOS X が動いて欲しかった。 そして iPhone の母艦となれて 3G 回線には iPhone を経由して Bluetooth で接続する。 そうすればライトユースには iPad と iPhone があれば対応できる。そういう製品であって欲しかった。。。 と言うのが個人的な感想です。
本田雅一の週刊モバイル通信 「 インテルの悩み、 Apple の結論」 ( PC Watch より)