「スマートフォン・ファースト」
 日本人なら大多数が知っているようなインターネット企業が掲げたスローガンとして この言葉を聞きました。
 こういう象徴的な言葉として聞いたのは始めてでしたが、 言われてみれば自分の周りでも、スマートフォンに対してコンテンツやサービスを どう展開していくかという話に、最近、終始しているような気がします。

 上記の言葉を掲げた企業は加えて「 PC セカンド」だとも言っていました。 なんと短絡的な思想だ。 言葉尻だけとらえると、そう思わずにはいられません。
 無論、この言葉を掲げた企業が短絡的だと言っているのではありません。 言葉はまだ象徴であって、結果ではないからです。
 ただ世間一般はこの言葉の上っ面にだけをとらえて踊っているように思います。

 スマートフォンブームなのでしょう。それは否定しません。
 ブーム=流行というのは、それが終わって振り返ってみると、 コモディティ化するか、忘れ去られるか、つまり根付くか消えるか二つに一つです。
 今までできなかったことができるようになることでその利便性を得るために流行し、 更なる利便性を提供する存在が現れれば消え、 そう出なければ市場にそれが満ちたところで当たり前になる。
 結局、流行はいつかは終わる訳です。

 一度話を戻します。
 そんな数年のブームを、人的に金銭的にリソースが限られる中小ではなく、 名だたる大企業がリーソスを集中させることがあまりにも短絡的に感じるのです。
「 PC セカンド」という話も同じですが、 生活の中で PC を使うことが当たり前になったときにスマートフォンというものが登場して、 もて囃されている。今ここです。

 スマートフォンが必要とされる真の理由は何なのか?
 それはいつでもどこでもサービスを利用したり、コンテンツを楽しめるということです。 いかに便利なサービスを創り出すか、いかに楽しいコンテンツを創造するか、 それをないがしろにして、スマートフォンに最適化することに 熱中しているようでは先が知れます。

 抽象的な表現になりますが、どこかにあるデータがどこかで処理されどこかでそれが利用される。 それがインターネット上にあるサービスであり、コンテンツです。 どんなデバイスでそれを利用するかは時代によって流行り廃りがあって、 デバイスに依存するものは、そのデバイスが廃れば一緒に消えてしまいます。

 たとえが適切かはわかりませんが、レコードが消えても音楽は消えない。 Anytime, Anywhere, Anyway …いつでもどこでも音楽が楽しめる。 大事なのはそこであって、一過性の流行であふれた小さなデバイスにとらわれることではない。 そう思います。

 以上、単に時代に乗り遅れ始めている人間の戯言かもしれません。注意! d(^_-)-*