「 マイクロソフトやヤフーら 5 社、“青少年ネット規制法案”に反対表明」 ~「法規制は一番最後に来るべきもの」保護者向けの自主活動を開始 ( INTERNET Watch より)

 反対するのももっともです。
 例えばですが、悪質な詐欺を目的としたチラシが配られたとしましょう。 この手の犯罪を取り締まる場合、通常、
  • チラシを作成、詐欺を行っている個人、もしくはグループを検挙する
  • チラシにだまされないよう注意喚起を行う
と言うのが、対策としてはごくまっとうだと思われます。
 なぜインターネットでは「チラシを見せないようにしよう」というロジックになるのでしょう? とんちんかんもいいところです。

 上記の論理で普通に考えると、まずは青少年に害を及ぼすコンテンツを作成して公開している 個人、もしくはグループの検挙にまずは力を入れることが第一でしょう? P2P アプリで著作権侵害を顧みずコンテンツを垂れ流ししている個人の特定には、 そのアプリケーションの技術革新性など無関係に、 また国民の血税に糸目も付けず根こそぎつるし上げる割には、 ずいぶん手ぬるいような気がします。
 またこういうコンテンツに対して、真偽、善悪の区別がつかないような 教育をしていることにもそもそも問題があるとは考えないのでしょうか? この話に限ったことではないですが、 日本の教育は「くさいものには蓋をする」傾向にありますが、 真偽、善悪の区別とは、真なるもの、善なるものだけを知って、 その対を悟ることには限界があります。 青少年が健全に育っていくために本当に大事なことは、 偽なるもの、悪なるものを見ずに育っていくことではなく、 それを見て「偽」「悪」を判断する力を身につけさせることでしょう。

「理想論だ」と言われるかもしれませんが、 その理想論をはじめからあきらめて、安易な妥協案だけをしかも自分たちの責任を回避して、 他者に押しつけるようなどとするこの法案は、 まさに「愚者の論理」と言わざる得ないでしょう。