「 MS 、『 MS Office 』の“ OpenDocument ”対応を表明、アドインの試作版を公開」窓の杜 より)

 どうも Microsoft は本気なようです。 何に対してかと言うと OpenDocument 対応に 対してです。
 今や Microsoft の主力商品と言って良い Office の フォーマットにオープンなものを採用するかどうかと言うことに懐疑的であったのですが、 これを標準のフォーマットにするかは別にしても、 欧州では公共機関が OpenDocument を 公文書の標準しようという動きがあるように、 このような動きが本格化してくれば、例え出荷時点で標準ではなくとも、 インストールベースでは標準で設定されることになるでしょう。  確かに、特定の企業なり個人なりが決定した公開されないフォーマットが デファクトスタンダードとして、情報なりの創造されたデータを扱うアプリケーションを 牛耳ってしまうと、遠い将来にそのデータが復元できなくなったり、 アプリケーション市場での公平性が失われたりと言う事態が生じることを 危惧するのはよく分かります。
 だからと言って「みんなで決める」と言うのがベストだとは到底思えません。

 まずその標準を決める団体が、優秀なアウトプットを出すとは限ららず、 利権などが絡んで妥協の産物のような規格が出てくることがままあるからです。
 ある程度のアウトプットがでたとしても、今度はそれを実装するアプリケーションが乱立し、 しかもその解釈がまちまちで、結局、作成したアプリケーションでしか再現できないと 言うこともあり得ます。
 そして何よりそう言った標準化によって、想像されるものが制限されてしまわないかが 一番心配です。
 HTML/CSS にしてもそうですが、そう言った標準化によって新たに生まれてくるはずの表現が 束縛されてしまっているようでなりません。 単に私の実力が伴っていないだけかもしれませんが、 例えばイメージしたページをうまく( HTML と CSS の標準で)構成できないなど、 どんどんフリーハンドから遠ざかっているような気がしてならないのです。
 コンピュータ上での表現とは、そう言った呪縛を打ち破ってこそ、 生まれてくるものだと言えば、そうなのかもしれないとも思いますが、 それが窮屈に思えて仕方がありません。