これが「 Google Phone 」です!と 目の前にものを出されれば、もっとわかりよいのですが、 Google が考えていることは、 具体的なものを想定していた人にとっては肩すかしだったのかもしれません。
5 日の発表時点で、 Android はまた商品化されていない。 開発者向けアーリーアクセス版が 11 月 12 日に SDK として公開されることになっているだけだ。 発表によると、 Android は携帯電話を動作させるのに必要な OS 、ミドルウェア、 ユーザーフレンドリーなインターフェイスとアプリケーションを取り揃えてまとめた ソフトウェアスタックとして提供される。 Android を搭載した携帯電話は、最も早くて 2008 年の後半に発売される予定だ。と言うことなのですが、現時点では発表されたものは未だ Google の外には出されていないわけですから、 想像の広げ方も難しいわけです。
と言うことで…
しかしこの大規模な携帯電話向けプラットフォームを中心に、 Google がどのようなビジネスモデルを描いているのかは必ずしも明解ではない。と言う意見が、ほとんどのサイトで語られていますが、 個人的には案外そこまで難しいことは考えていないような気もします。
以下は戯言と思って興味のある方はおつきあいください。
単なる音声通話用のワイヤレスデバイスであった携帯電話は進化を続け、 メール、ウェブブラウザ、昨今ではメディアプレーヤとしての側面まで 持ち合わせてきています(テレビ(ワンセグ)というのは日本だけっぽいので除外)。
しかし、これらは PC を起源とするアプリケーションばかりで、 必然それらのアプリケーションは PC と比較すると使い勝手が落ちているものばかりです。 一度に把握できる情報量が落ちるのは小型デバイスである以上仕方がないですが、 その上使い勝手が落ちるのは、フルキーボード、使い勝手の良いポインティングデバイスを前提として 開発されているアプリケーションを起源としていることに少なからず起因しているように思います。
一方で昨今話題の iPhone/iPod touch は、 この問題に対する一つのブレイクスルーであって、 ほぼ同サイズのデバイスであっても、インターフェイスを工夫することで アプリケーションの使い勝手は飛躍的に向上する可能性を示しています。
つまり Google の意図するところは、 携帯電話のインターフェイスを進化させ、さらに自社が展開する アプリケーションサービスの使い勝手を向上させること、 もしくはモバイルデバイスとそのインターフェイスならではのアプリケーションサービスの展開し、 ひいてはモバイルデバイスからの利用率の向上、 そうしてそれが同社の利益につながるという理屈だと思います。
ところが昨今の携帯電話には各個独自のオペレーティングシステムが ほぼブラックボックスの状態で搭載されており、 インターフェイスに革新を起こす、つまり不特定のデバイスの方から 特定のウェブアプリケーションとの親和性を高めていくことはほぼ不可能です。 そこでオープンでオペレーティングシステムを含む開発フレームワークを提供し、 全く手が出せない状況を打破しようとする試みが「 Android 」ではないでしょうか?
戯言以上です m(_ _")m