「 ニコン、位相差 AF 搭載のミラーレスカメラ『 Nikon 1 J1 』」
「 ニコン、 F マウントレンズを『 Nikon 1 』に装着できるマウントアダプター」
「 ニコン、『 Nikon 1 』の発表会で 7 本の新レンズを参考出品」
(以上、 デジカメ Watch より)
とうとう発表されました。いや、個人的には発表されてしまったと言いたいところです。
ニコン 製の レンズ交換式ミラーレスデジタルカメラ、 上位モデルの Nikon 1 V1 と EVF 非搭載の低価格モデル Nikon 1 J1 が 10 月 20 日に発売されます。
まず撮影素子は FX, DX に続く「 CX フォーマット」だそうですが、 サイズが 13.2x8.8mm と オリンパス E-P3 など マイクロフォーサーズ機の 4/3 型 (17.3x13.0mm) よりさらに小さい代物です。
当然のことながら、いわゆるこれまでの F マウント(ニコンマウント)のレンズは使えません。 「 Nikon 1 (ニコンワン)マウント」という新しいレンズシステムが提供されます。
すみません。私はこれを買いません。
どんな美辞麗句を並べても、明らかに ニコン は レンズ交換式ミラーレスデジタルカメラでは後発で、 この Nikon 1 V1 に市場を一瞬にしてひっくり返すほどの 商品力があるとはとても思えません。
マウントアダプターがあることで過去のレンズ資産の継承という多少の優位点はあったとしても、 ミラーレスを購入する層(過去の資産を持たない、 コンパクトデジタルカメラでは満足できなかったユーザー)には ほとんど関係がないと言っていいでしょう。 残念ながらこの層には 「ニコン ブランド」という看板は ほとんど無力です。
そうなってくるとレンズを気軽に貸したり借りたりできる同じ機種を 周りに何人が持ってるかが重要になってくるように思います。 マイクロフォーサーズでひとくくりにすれば、後発でしかも新レンズシステムを 展開することは無謀としか思えません。
またすでに DX フォーマットユーザーとしても、不安を抱かざる得ません。
ニコン の経営資源、 特に開発資源は無限ではありませんから プロ/ハイアマチュアは FX 、アマチュアは CX などと分かれてしまったら、 DX が空洞化してしまわないかが本気で心配です。
ニコン は、 これまでの FX/DX フォーマットデジタル一眼機を踏まえて、 いったいこの商品をどう訴求していくつもりでしょう? ビジョンが全く見えません。
発表されてしまったものは仕方なく、 あとはマーケティングの素人の杞憂に終わってくれることを祈るばかりです。