私がサッカーボールをただただ夢中になって蹴っていた頃、
ワールドカップは夢にも出てこない舞台でした。
それから十数年が過ぎ、やっと目の前の最後のこの扉さえ開けることができれば、
夢の舞台に立てる。
私と同世代の選手が中心の日本代表が、そこまで来てその扉が開くことができなかった
ときの気持ちは今でも良く憶えています。
そして、それからまた四年が過ぎ、何とかこうにか最後の扉の前に立ち、
その扉が初めて開くことができたときの気持ちも良く憶えています。
しかし、やっとたどり着いた夢の舞台での戦いは厳しかった。三戦全敗。
それから四年、日韓共催での夢の舞台で、主催国でありながら、
予選リーグ突破すら微妙という下馬評を覆し、
予選リーグ 1 位で決勝トーナメントまで駒を進めました。
大善戦…確かにそうだったのでしょう。
そして今回、ドイツの舞台を目指し、予選が始まったときから違和感をずっと感じていました。
「予選は通過して当然」「目指すはベスト 8 」
前回、予選も戦わず、相手が四面楚歌の状態で戦うハンデ戦で、やっと決勝トーナメントに
駒を進められた国がどうしてそこまで強気になれるのでしょう?
しかし、見事に予選は通過しました。
それでもまだ組み合わせでブラジル以外となら、互角以上の戦いができる…
そんな楽観的な雰囲気は受け入れられませんでした。
結果は、初戦逆転負け、二戦目引きわけ、
そして昨日。ブラジル相手に 1-4 。完敗でした。
「これが今の自分たちの実力」
日本を代表するプレーヤである中田 選手が口にしたこの言葉を前に、
応援することしかできない私は何も言うことはありません。
私がサッカーボールを真剣になって蹴っていた頃、
ワールドカップの舞台でブラジルと戦うなど夢のまた夢でした。
今回その夢の対決を目にすることができました。
何十年もかかってやっと実現したその対戦で、その実力差を思い知ったとしても、
この戦いを見た日本の少年達が、先の言葉を口にした中田 選手の悔しさの
欠片でも感じてくれたのなら、いつかサムライ・ブルーのユニフォームを着た選手が、
あの黄金のカップにキスをするシーンを見せてくれるかもしれません。
これも夢のまた夢のシーンでしょうか?
しかし、私はいつも信じていれば、夢は夢のまま終わらない…そう思っています。
Posted on Jun 24, 2006 at 00:51