こちらのサーバも無事、AlmaLinux 9 が動作する新しい VPS(Virtual Private Server) 環境への移行を完了し、今のところ、大きなトラブルもなく、CentOS 7 が動作していた古い VPS も解約し、本稼働に入りました。
ずいぶん久しぶりに VPS の契約をしたため、ちょっとカルチャーショック的なことが、移行の際にいくつかありました。
管理ユーザーって root じゃないの?
まずは新たに VPS を申し込こんだ直後のプチパニック。
新規サーバの申請の際の入力項目に「管理ユーザーのパスワード」があるのですが、これ普通、root のパスワードだと思いません?
しかし、よく見ると入力画面には「管理ユーザー名」と明示されており(変更はできません)、このユーザーのパスワードなんです。
最初はそれに気付かず、申し込みが終わって、初めてコンソールを開いたとき、設定したパスワードで root でログインできず、よくよくマニュアルを読んでみて、初めて気付いた次第。root のアカウントはロックしてあって、そもそもコンソールであろうが root でログインできないのが初期設定なんです。
おそらくセキュリティーを考慮したものだと思うのですが、ならなぜ最初から「管理ユーザー名」を任意に設定できない?
初期の「管理ユーザー名」って、インストールする OS ごとに決まっているらしく、しかも、このユーザーって sudo ならパスワードなしでコマンドが通ってしまいます。結局、セキュリティを考えると「管理ユーザー名」を自分で変更せねばならず、その際に、ロックされている root アカウントを一時的に復帰させて変更しますので、裏口の用心をしようとすると、用心のために閉じたはずの表玄関を開けなければならないと言う非常に間抜けな話に思えます。
それなら最初から root のパスワードとして設定し、root アカウントをロックする方法を案内するか、管理者ユーザー名を最初から任意に設定できるかの方が、理にかなって手間がかからない気がするのは私だけ? w
スワップレスってうそでしょ?
今度は移行が終わった後に起こったプチパニック。
無事、docker でコンテナを動かし出して、半日もしないうちに VPS が応答しなくなりはじめ、負荷を見てみるとメモリを使い切って振り切っている状態。
え?! docker を動かしているとは言え、たかだか 3 つコンテナを動かしているだけで 2vCPU/1GB メモリの VPS がいっぱいいっぱいになって止まる?
原因はさほど難しいことではありませんでしたが、気付くのに時間を要しました。今回契約した VPS は初期設定ではスワップレスなのです。つまり、物理メモリを使い切ったら終わり。
ありえんだろう w
普通の PC でも搭載メモリは 4GB 以上は当たり前に使える時代になった今でも、初期設定で Linux をインストールすれば、通常、スワップは設定されます。ましてや、性能もそうですが、安定した稼働が求められる VPS でスワップが設定されていないだなんて…まったく盲点でした。
いやそらね。顧客にガンガンリソースを使って欲しいこともわかりますし、昨今のストレージは SSD ですから、頻繁に I/O を発生させて故障率を上げて欲しくない、特に書き込みはできるだけして欲しくないのはわかりますが…
それ全部、あなた方の都合ですよね? w
顧客としては、VPS に性能も求めますが、まずは安定稼働第一。何より VPS ってコンピュータリソースを休ませずに無駄なく使う技術であって、メモリ上だけで処理が済んでしまうようなゆるゆるのサーバーを放牧するために使うなど技術の無駄遣いです。
マニュアルで、ブロックファイルを作成して、スワップに割り当てる方法も書かれているとは言え、スワップくらいはまず初期設定でしておいて欲しいものです。